弁護士コラム

◇ 婚姻と子の関係

⑴ 嫡出子の制度
 婚姻制度は、婚姻中に懐胎・出産された子が夫婦の子であるとする制度(これを「嫡出子の制度」と呼びます)を中核として設計されています。すなわち、母親については懐胎・出産の事実をもって明らかになりますが、父親については客観的事実として明らかになることはありません。そこで、子の父親を明確化するために、婚姻中に懐胎・出産された子については、夫婦の子であると擬制することにしています。
 この嫡出子の制度は、親子関係を明確化し、もって親子関係に生ずる扶養義務などの権利関係を明確化することや社会秩序を維持する観点から合理的であるという趣旨から規定されたものです。ただし、嫡出子の制度も絶対的なものではなく、後述するように嫡出否認の訴えによって嫡出子であることが覆ることもあります。
⑵ 嫡出否認の訴え
 父親は、子が嫡出子でないことを求める場合に、嫡出否認の訴えを提起することができます。この嫡出否認の訴えは、例えば、父親が長期主張中で母親と接触することがなかったため、母親が子を懐胎することがあり得ない状況で あったにもかかわらず、母親が懐胎し子を出産した場合などに利用されます。ただし、嫡出否認の訴えは、父親が子の出生を知った時から1年以内に提起しなければならないという出訴期間が定められており、真実の親子関係とは異  なる場合にも出訴期間が過ぎてしまうと提起できないという問題があります。
⑶ 嫡出推定の及ばない子
 上述しましたように、嫡出否認の訴えは、出訴期間が1年間と短期に定められていることから、真実と異なる親子関係が形成されるリスクが生じます。そこで、母親が懐胎した子が、父親の子でないことが客観的に明らかな場合に は、そもそも父親の嫡出子と推定しないという考え方がとられています。これを、「嫡出推定の及ばない子」と呼びます。
 「嫡出推定の及ばない子」は、そもそも父親の嫡出子であると推定されませんので、父親の子でないことを明らかにするために嫡出否認の訴えによる必要がなく、親子関係不存在確認調停・審判などの出訴期間の定めがない手続きに よって行うことができます。
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2018.07.26

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