弁護士コラム

◇ 婚姻の効力

2018.07.24

⑴ 婚姻の効力―総論
 婚姻によってさまざまな法的効力が生じますが、民法上生じる主な効力は以下のようなものです。
①夫婦同姓
②婚姻費用(婚姻生活を送るための生活費のことを指します)の分担義務
③同居・協力・扶助の義務
④未成年者について成年擬制
⑵ 夫婦同姓
 民法上、夫婦は、夫または妻の姓を称すると規定されており、夫婦同姓が定められています。この夫婦同姓については、社会的に夫婦は同じ姓であるべきという価値判断から定められていると思われます。そのため、この価値判断も絶対的なものではありませんので、夫婦別姓を選択できるように求める動きが出てきています。しかし、現時点におきましては、選択的夫婦別姓を正面から認める判決が出ておらず、立法による解決に委ねられている状況です。
⑶ 婚姻費用の分担義務
 婚姻費用とは、夫婦共同生活(未成熟子の生活も含む)を送っていくにあたって必要となる生活費のことを指します。この婚姻費用については、夫婦関係が円満で同居しているときにはあまり問題になりませんが、夫婦関係が破綻し別居するようになった時に問題となることが多々あります。
 婚姻費用は、原則として、収入が多い者が他方配偶者に支払うことになります。この婚姻費用の金額は、様々な事情を考慮に入れたうえで決定されます。具体的な計算方法については、改めてご説明します。
⑷ 同居・協力・扶助の義務
夫婦となった場合は、同居・協力・扶助の義務が発生します。
ここで、扶助の義務については、婚姻費用の分担の義務と重複することになりますが、経済的な援助をするという法的意味があります。しかし、同居・協力義務については、宣言的な意味しかなく、法的に強制力があるものではありません。
⑸ 未成年者についての成年擬制
 未成年者は、婚姻によって成年と同じ能力があるものと擬制されます。したがって、未成年者の夫婦であっても、行為能力の制限を受けることなく、自由に取引をすることができます。
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