弁護士コラム

2018.10.16

◇事情の変更を理由に婚姻費用の金額を増額できるかとのご相談

【相談内容】30代、女性
 1年ほど前に夫に対して離婚調停と婚姻費用分担調停を申し立て、半年ほど前に婚姻費用として月3万円を支払ってもらう旨調停が成立しました。この婚姻費用の金額は、夫の前職の収入をもとに算定されたものですが、夫が先月転職し収入が前職の約2倍になったと聞いています。調停成立後の事情が変更したものとして、婚姻費用の金額を増額させることはできないものでしょうか。
【弁護士の回答】
 ご相談内容は、婚姻費用分担調停成立後の事情変更に基づいて、婚姻費用の金額を増額させられないかというものです。
婚姻費用とは、離婚成立時までの別居期間中に、夫婦としての生活保持義務に基づいて、原則として収入が多い方の配偶者が少ない方の配偶者に対して支払うべき生活費を指します。ここで、婚姻費用とは、現実的な生活状況に応じて支払われるべきものですので、取り決め後に事情が変更されることで不合理な内容になりがあり変更すべき場合があります。
そのため、ご相談内容のように、調停成立後に相手方の収入が前職の2倍もの多額に変更された場合には、再度婚姻費用分担調停を申し立てることによって、婚姻費用の金額が増額されることになるといえます。
  当事務所は、福岡を本店とし、九州トップクラスの離婚取扱件数を誇る弁護士法人です。熊本・八代・天草・玉名・宇城・荒尾にお住まいで、離婚、親権、養育費、財産分与などでお悩みの方は、一度当事務所の無料相談をご利用ください。

投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2018.10.05

◇別居後の生活費が心配だが、離婚に向けて別居したいとのご相談

【相談内容】30代、女性
 夫とは結婚して3年になりますが、結婚当初より性格が合わず、一緒に生活することが苦痛になってきました。私から離婚したいと持ち掛けても夫は全く聞く耳を持ちませんので、別居せざるを得ないと考えています。しかし、現在、パート収入しかなく生活費のほとんどを夫に依存している状況ですので、別居した場合の生活費を心配しています。私の気持ちとしては速やかに離婚したいのですが、まずはどのようにして別居すればいいのでしょうか。
【弁護士の回答】
 相手方が離婚協議に応じない場合は、まずは速やかに別居することが最優先となります。別居することによって相手方に対して離婚の意思を明確に伝えることができるようになりますし、仮に裁判所を利用する場合にも裁判所に対して離婚の意思を明確にすることができます。
 しかし、相手方の収入に依存している場合は、別居後の生活費が心配でなかなか別居に踏み切れないこともあります。まずは、別居後に自立して生活していくために、パート時間を増やすことや転職することなど収入を増やす方策を検討すべきと言えます。また、離婚成立時までは法律上の夫婦ですので、相手方から収入に応じた生活費(これを婚姻費用と呼びます)を請求することが可能です。そして、夫婦で貯めた預貯金などの財産がある場合は、当面の生活費として使用することも検討すべきです。これらの方策がとれない場合には、生活保護を受給しながら当面生活することも検討すべきです。
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投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2018.08.28

◇モラルハラスメントを原因として離婚の成立が認められた事例

【相談内容】(50代 女性)
 結婚して20年になりますが、結婚当初から夫からの暴言に悩まされていきました。また、夫から行動をすべて監視されており、窮屈な思いをして生活しています。今年子どもが成人しましたので、夫と離婚して新しい生活を始めたいと思っています。離婚できるでしょうか。
【解決内容】
 ご相談内容は典型的なモラルハラスメントの事例ですが、まずはモラルハラスメントを受けたことに関する証拠をどれだけ収集できるかということが問題になります。すなわち、モラルハラスメントは、極めて家庭内の出来事であり、相手方から否定されてしまうとなかなか立証することが難しいということがいえます。そのため、モラルハラスメントを受けたことについて、例えば日記を日常的に記載していることや暴言を録音していることなどの証拠を収集する必要があります。
 次に、離婚の話し合いを進めるためには、別居することが前提になります。しかし、経済的な問題から別居が難しいということもありますので、別居後に相手方から婚姻費用を受けながら生活できる程度の経済的な準備が必要になります。
 ご依頼者様は、夫婦の預貯金を抑えていたことや定職についていたため、経済的な問題なく別居をすることになりました。その後、モラルハラスメントを原因として離婚協議を開始しましたが、相手方はなかなかモラルハラスメントの事実を認めようとしませんでした。そのため、離婚調停から離婚訴訟に移行し、日記や録音などの証拠に基づき離婚が成立することになりました。
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投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2018.08.20

◇離婚するか否か迷われている方のご相談

【相談内容】(30代、女性)
 夫と性格が合わず、気持ちとしては離婚したいと思っています。しかし、夫が離婚することを拒絶しており、子どもが3歳とまだ幼く夫の収入に頼っている状況ですので、家を出ることを躊躇しています。また、仮に家を出たとしても、夫が生活費を支払ってくれるか心配しています。このまま我慢して夫との同居を続けるべきでしょうか。
【弁護士の回答】
 離婚の意思をお持ちですので、まずは離婚に向けて別居するための現実的な方策を検討することが必要です。例えば、お子様を連れて実家に帰ることや家計を管理している場合は預貯金を使って引っ越し費用及び当面の生活費とすることを検討すべきです。
 次に、別居後において離婚の意思を改めて表示したうえで、具体的な養育費や財産分与についての協議を重ねて金額を確定する必要があります。ここで、離婚に至るまで期間が必要な場合には、当面の生活費の請求として婚姻費用の請求をする必要があります。また、婚姻費用の支払い開始時期は、現状の裁判所の運用によりますと、婚姻費用請求の調停を申し立てた時期からとされています。したがって、ご主人から生活費の支払いを拒絶された場合は、速やかに婚姻費用請求の調停を裁判所に申し立てるべきです。
 協議によって離婚の条件がまとまればよいのですが、協議が困難な場合は離婚調停の申し立てを検討するべきです。また、協議段階から、弁護士を間に入れて合理的な離婚の条件を提示していくことも検討すべきです。
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2018.02.16

◇「養育費・婚姻費用算定表」の見方と問題点

  「養育費・婚姻費用算定表」は養育費・婚姻費用を簡易迅速に算定するという目的で作成されていますので、未成熟子の年齢・人数をもとに父母両者の収入を表に当てはめてすぐにおおよその養育費・婚姻費用の金額が算出されます。   
ただし、「養育費・婚姻費用算定表」はあくまで標準的な場合を想定されて作成されていますので、標準的な場合を外れる場合には「養育費・婚姻費用算定表」をそのまま使用することができません。例えば、「養育費・婚姻費用算定表」は、未成熟子が公立学校に通っていることを前提としていますので、私立学校に通っている場合には異なった考え方をしなければなりません。
したがって、「養育費・婚姻費用算定表」にも限界がありますので、個別具体的な事情に応じて養育費・婚姻費用の金額を算出していかなければなりません。
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2018.02.16

◇養育費・婚姻費用の算定方法

   養育費・婚姻費用は、扶助義務に基づいて発生するものですので、自分の生活レベルと同等の生活を相手にも維持するに足りるものである必要があります。したがって、養育費・婚姻費用を算定するにあたっては、父母両者の収入状況及び必要な生活費を算出したうえで、権利者から義務者に対して支払うべき金額を算定するという方法がとられています。
 ここで、個別的な事案において、個別具体的に必要な生活費を算出することは、様々な事情を考慮に入れなければなりませんので、時間がかかるという問題がありました。そのため、簡易迅速に養育費・婚姻費用を算出するために、平成15年に裁判官に研究によって「養育費・婚姻費用算定表」が公表されました。現在では、この「養育費・婚姻費用算定表」をもとに養育費・婚姻費用の算定がなされている状況です。
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投稿者: 弁護士法人菰田法律事務所

2018.02.16

◇養育費・婚姻費用とは

養育費とは、離婚後において、父母間で分担する未成熟子(原則として20歳未満の子)の生活費のことを指します。また、婚姻費用とは、離婚前において、夫婦間で分担する家族の生活費のことを指します。
 この養育費・婚姻費用は、親族間において、自力で生活できない者を援助する義務(これを扶助義務といいます。)に基づいて発生します。
 夫婦生活が平穏で問題がない場合には、養育費・婚姻費用について問題が生じる場合はないと思われます。しかし、別居や離婚によって、家計が夫婦で分断された場合には、養育費・婚姻費用をいかに定めるのかということが問題になります。
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2017.01.18

96 相手方に婚姻費用を支払いたくないのですが可能ですか?

婚姻費用とは、夫婦の扶助義務によって支払うべき生活費のことを指します。したがって、相手が家を出て行ったとしても、夫婦である以上は婚姻費用を支払う義務があると言えます。また、勝手に家を出て行ったとしても、不貞などの有責性がない場合には、婚姻費用の支払い義務が消滅することはありません。

これに対しては、心理的に婚姻費用を支払いたくないというご相談をよく受けますが、離婚を早く成立させることによって婚姻費用の支払い義務を消滅させるしか方法がないのが現実です。また、離婚の交渉が長期化することにより、義務者は長期間にわたり婚姻費用の支払いを継続しなければならなくなることから、婚姻費用の支払義務を消滅させるためにも、離婚に関する条件について、一定程度譲歩することも検討する必要があります。

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2017.01.18

95 婚姻費用額の変更

婚姻費用額を定めた後に退職したことや病気で入院した時など、両者の状況が変化した場合には、婚姻費用額を維持することが不相当になる時があります。このような場合には、家庭裁判所に婚姻費用変更の調停を申し立てる必要があります。

もっとも、些細な事情の変更であっても婚姻費用の減額が認められるというわけではなく、事情の変更により、従前の婚姻費用の金額の支払いを維持することが公平に反するような場合に限られます。

なお、婚姻費用額を決定した後に事情が変更したにも関わらず婚姻費用変更の調停を申し立てなかった場合は、従前の婚姻費用の金額が維持されると考えられていますので、注意が必要です。

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2017.01.18

94 履行命令及び強制執行

履行命令とは、権利者の申立てにより、裁判所が義務者に対して義務の履行を命令する制度を指します。履行命令が出されたにも関わらず、正当な理由がないのに履行命令に従わない義務者は、10万円以下の過料に処せられます。

もっとも、上記過料は権利者に対し支払われるものでないため、婚姻費用のような金銭的な請求の際の履行確保手段としては適切ではないと考えられています。

したがって、履行命令をしてもなお、相手方が支払わない場合には、強制執行手続に移行することが通常です。

強制執行では、相手方の職場などを把握している場合には、給与債権を差し押さえることができることに加え、過去の未払い分だけでなく、離婚若しくは別居が解消するまでの将来の分についても差押が可能です。

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